桶狭間の戦い
桶狭間の戦いは、永禄3年（1560年）5月19日に尾張国（現在の愛知県）桶狭間で行われた、織田信長と今川義元との戦いです。この戦いは、信長が圧倒的に不利な状況を覆し、今川軍を破ったことで、信長の天下統一への第一歩となった重要な合戦として知られています。
戦いの背景
永禄3年5月、駿河・遠江・三河を支配する戦国大名、今川義元は、2万5千人ともいわれる大軍を率いて尾張へと侵攻しました。その目的は、上洛（京都へ行くこと）のためとされています。一方、尾張を統一したばかりの織田信長は、今川軍に比べ圧倒的に少ない、約2千から3千人の兵しか持っていませんでした。信長は、今川軍の侵攻に対し、清洲城に籠城するのではなく、奇襲作戦で今川義元の本陣を直接狙うという大胆な決断を下しました。
戦いの経過
信長は、今川軍の本隊が休憩しているとされる桶狭間へ向かいました。このとき、信長は熱田神宮で戦勝を祈願し、少数の兵を率いて出陣したと伝えられています。今川軍は、大高城や鳴海城といった織田方の砦を攻略する一方、義元は桶狭間で休憩していました。この時、突然の豪雨に見舞われ、今川軍は混乱状態に陥ります。
信長は、この豪雨で視界が悪くなった隙をつき、今川軍の本陣に奇襲をかけました。今川軍は信長軍の接近に気づくのが遅れ、義元も信長軍を雑兵と勘違いしていたといわれています。信長軍の攻撃により、今川軍は大混乱となり、今川義元は討ち取られました。
戦いの結果とその後
桶狭間の戦いは、織田信長軍の大勝利に終わりました。この戦いで大将を失った今川軍は総崩れとなり、駿河へと撤退しました。この結果、今川氏の勢力は大きく衰退し、今川氏に人質として送られていた**松平元康（後の徳川家康）**が独立するきっかけとなりました。
信長は、この勝利によってその名を全国に轟かせ、天下統一への道を歩み始めます。また、家康との同盟（清洲同盟）を結ぶことで、後顧の憂いを絶ち、美濃攻略に集中することが可能になりました。桶狭間の戦いは、日本の戦国時代を大きく動かした重要な転換点となりました。
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